SYNON 記事 映像・AI動画
事業計画書|AI映画・IP制作

Business Plan · 2026年8月15日作成

事業計画書
AI活用オリジナル映画・IP制作事業

Claude × MCP による自動化パイプラインを内製化し、生成AIでオリジナル映像IPを開発・展開する制作スタジオ。受託を初期のキャッシュエンジンに、IPの所有を最終目的に置く3か年計画です。

事業形態:スモールスタート(1〜3名・自己資金+補助金) 計画期間:2026年9月〜2029年8月(3か年)

市場データ・法制度情報はすべて出典URLを併記しています。前提が崩れる可能性のある数値には要検証を付しています。

Contents

目次

1 · Executive Summary

エグゼクティブサマリー

Claude × MCP による自動化パイプラインを内製化し、生成AIでオリジナル映像IPを開発・展開する制作スタジオ。一般的なAI映像事業が「安く速い受託」に流れるなかで、本事業はIPの所有に軸足を置く。受託は初期のキャッシュエンジンであり、目的ではない。

1-2. 3か年の到達目標

1年目(〜2027/8)2年目(〜2028/8)3年目(〜2029/8)
売上780万円2,180万円4,460万円
営業利益132万円452万円1,090万円
人員1名2名3名
自社IP売上比率8%23%41%
オリジナル作品短編2本中編1本+縦型シリーズ1期長編1本+シリーズ2期

1-3. 事業の核心となる3つの判断

JUDGMENT 1
収益の入口は受託、目的はIP
AI動画のB2C広告収益で1〜3名の事業を支えた検証済み事例は見当たらない(確認できた個人事例は月約5万円)。YouTubeは2025年7月15日施行のポリシーで汎用的なAI生成コンテンツを収益化対象外に。プラットフォーム広告収益の一本足は成立しない
JUDGMENT 2
「著作物性が認められる作り方」が参入障壁
文化庁も米国著作権局も、著作物性を人間の創作意図と創作的寄与の程度で判断するとする。プロンプト一発生成物は著作権が発生せず、ライセンスの対象にならない。証跡化は「安く速く」だけを競う事業者には模倣しにくい構造
JUDGMENT 3
ツールに賭けず、パイプラインとIPに賭ける
OpenAI Sora は提供開始から約1年半で終了(API 2026年9月24日)。特定サービスへの全面依存は事業継続リスクそのもの。中間成果物をツール非依存の形式で保持する設計を初日から採用

出典:YouTube 収益化ポリシー / 文化庁 / US Copyright Office / OpenAI: Sora discontinuation

2 · Opportunity

事業機会 — なぜ今か

2-1. 3つの追い風が同時に来ている

① コスト構造が1年で1桁変わった

1秒単価の変化(Google 同系列モデル)
音声が付き、品質が向上したうえで約90%の値下がり。
Veo 2(720p・無音)$0.50/秒 → Veo 3.1 Lite(720p・音声付き)$0.05/秒=約90%減。10分の短編を約5万円の生成コストで作れる水準に到達(§5-2)。出典:Google Cloud Vertex AI 料金

② 発注側の心理的ハードルが崩れた

2025年10月
サイバーエージェント「日本一のAI動画を追求するセンター」設立

広告動画3本を300万円、納期3か月→1.5〜2週間

2026年1月
日本テレビ『TOKYO巫女忍者』で生成AIを本格活用

2026年4月
テレビ朝日「AIクリエイティブスタジオ」設立/NHKがAI原則を公表

2026年6月
『Dreams of Violets』がTribeca映画祭で上映

主要映画祭で初の完全AI生成長編。監督談「CGIなら数百万ドル。私は$2,000使った」

2026年8月9日
テレビ朝日×サントリー、地上波初の全編生成AI CM放送

GREEN DA・KA・RA 30秒

「AIで作ったものを世に出してよいか」という問いは、2026年8月時点ですでに決着していると見なせる。

③ 小さいプレイヤーほど採用率が高い

デジタル動画広告における生成AI採用率(IAB調査)
企業規模が小さいほど採用率が高いという逆転現象。
予算のない発注者ほどAI制作を選ぶ。1〜3名の制作者にとって直接的な追い風。出典:Marketing Dive — IAB調査

2-2. 逆風も直視する

逆風事実本計画での対応
受託単価の下落圧力AI動画制作の相場はすでにショート3〜10万円/本まで下落単価競争から降りる。企画・脚本・IP設計込みの上流案件に絞る(§4-2)
B2C広告収益が成立しにくいYouTubeが汎用AI生成コンテンツを収益化対象外に配信収益を主収益に置かない。IPはライセンス・共同製作・二次展開で回収
著作物性の不安定さ創作的寄与が不十分だと著作権が発生しない創作的寄与の工程設計+証跡化を標準運用に(§4-4)
声・肖像の法整備が進行中法務省検討会が2026年夏を目途に指針を取りまとめ実在人物の声・容姿を使わない。合成音声は商用ライセンス付きのみ
ツールの突然死Soraが約1年半で終了マルチモデル前提のパイプライン(§4-5)

3 · Market

市場分析

3-1. マクロ市場(日本)

日本の総広告費 2025年
8.06兆円
前年比105.1%(電通)
インターネット広告費の構成比
50.2%
初の過半数(4兆500億円)
動画制作サービス市場 2025年度
4,580億円
前年比108.1%(矢野経済研究所)
映画興行収入 2025年
2,744億円
過去最高・前年比132.6%(映連)

3-2. 狙う領域:縦型ショートドラマ

国内 動画広告市場の構成推移
全体の成長率(前年比122%)を大きく上回るのが縦型動画広告(156%)。1〜3名が張るべき成長ベクトルはここ。
出典:サイバーエージェント/デジタルインファクト調査。単位:億円。2026年・2029年は予測値。
プレイヤー実績
ごっこ倶楽部(GOKKO)累計100億回再生。アプリ「POPCORN」で年間50〜60作品
BUMP(emole)累計250万DL、100か国以上へ展開
テラードラマ小説→映像のIP多段展開。10億円調達
日本テレビ「VIRAL POCKET」「毎日はにかむ僕たちは。」SNS総再生26億回超
採用しなかった数値

「日本のショートドラマ市場2026年 約1,530億円」という数値が流通していますが、YH Research由来の孫引きで一次情報を確認できず、本計画では採用していません

3-3. 価格の裁定機会(本事業の起点)

ショートドラマ1本あたりの制作費比較
実写とAI制作で1桁の価格差が存在する。
本事業はこの差額を「値下げ」ではなく「企画・IP開発への投資」に回すことで差別化する(§4-2)。

3-4. 政策環境

出典:電通 / サイバーエージェント / 矢野経済研究所 / 映連 / 日本能率協会総合研究所 / 経産省

4 · Business Model

事業モデル

4-1. 収益の4本柱と時間軸

3か年 売上構成計画
受託は初期のキャッシュエンジン、目的はIP。自社IP売上比率 8% → 23% → 41% が実質的な目標。
単位:万円。1年目は1名、2年目2名、3年目3名。④研修・技術顧問はあえて計画に入れていない(短期的には稼ぎやすいが制作時間を奪いIP開発が止まるため)。キャッシュ不足時の予備弾として位置づける(§10-3)。

4-2. ① 受託制作 — 単価競争から降りる

受けない案件
指名安値発注/オペレーション代行のみ/3万円ショート量産
受ける案件
企画・脚本から入る縦型ショートドラマ/世界観設計を伴うシリーズ映像
メニュー価格納期想定原価率
縦型ショートドラマ 1話(60〜90秒)18万円5営業日22%
同 シリーズ8話パッケージ120万円(1話15万)4週間20%
ブランドムービー(2〜3分・企画込み)60万円3週間25%
世界観設計+キャラクター開発(映像なし)40万円2週間10%

「企画から入る」ことが単価維持の唯一の方法です。オペレーションだけを売ると、来年には半額になります。

4-3. ② 縦型シリーズ共同製作 — レベニューシェア型

制作費を自社が一部負担し、IPの持分と配信収益シェアを取る形態。ショートドラマアプリ(POPCORN、BUMP等)やブランドとの座組を想定。

1シリーズ60秒 × 30話
自社負担制作費の30〜50%(現金負担は生成コスト+工数)
取り分IP持分30〜50%+配信収益シェア
回収課金アプリのレベニューシェア、二次展開(書籍・グッズ・ブランドコラボ)

4-4. ③ 自社IP — 「著作物性が認められる作り方」を工程にする 本丸

これが本事業の本丸であり、最大の参入障壁です。AI生成物の著作物性は、利用者の創作意図と創作的寄与の程度で判断される。つまり「人間が何を決めたか」を証明できる制作体制そのものが、IPの資産価値を決める

工程人間の決定残す証跡
企画ログライン・テーマの発意logline.md(git履歴付き)
脚本構成・セリフの決定改稿履歴
キャラクター設計造形の決定canonical_prompt の設計過程
絵コンテカメラ・照明・尺の指定shots.json
ショット採否どのテイクを採るか=創作的選択各テイクの human_judgment +不採用テイクの保管
編集最終的な表現の構成EDL・カラーグレーディング設定
収益化経路内容回収時期
映画祭・コンペWORLD AI FILM FESTIVAL KYOTO、AI Film Festival Japan 等1年目〜(実績づくり)
配信ライセンスショートドラマアプリ、配信PFへの作品供給2年目〜
IPライセンスキャラクター・世界観の他社利用許諾3年目〜
二次展開書籍化・グッズ・ブランドコラボ3年目〜
共同製作出資受け実績を担保に他社資本を入れる3年目〜

4-5. 制作の技術的中核:Claude × MCP パイプライン

別紙「Claude × MCP AI映画制作パイプライン 運用仕様書 v1.0」に準拠。

5 · Unit Economics

ユニットエコノミクス

5-1. 受託:縦型ショートドラマ 8話パッケージ(120万円)

粗利率
80.6%
売上120万円・直接原価23.3万円
投下工数
18人日
企画3/脚本3/生成6/編集4/進行2
人日あたり粗利
約5.4万円
制約は資金でなく時間
読み方

AI制作の本質は「粗利率の高さ」ではなく「人日あたり粗利の高さ」です。制約は資金ではなく時間。したがって計画のボトルネックは常に稼働可能人日になります。

5-2. 自社IP:10分短編1本

生成API(ドラフト+本番3テイク、Veo 3.1 Fast中心)約 52,000円
長尺ショット(Seedance 2.5 数カット)約 11,000円
音声・音楽約 25,000円
声優(2名・買切)100,000円
映画祭出品費(3〜5件)約 40,000円
現金支出計約 228,000円
投下工数32人日(機会費用 約172万円)

回収シナリオ:1年目は回収を前提としない(実績・作家性への投資)。2年目以降、配信ライセンスとシリーズ化の起点として回収する。

5-3. 稼働人日の制約(計画の骨格)

年間稼働人日の配分
自社IPへの投下人日比率を年々上げていくことが、この事業計画の実質的な目標。売上より先にこの比率を見る。
単位:人日。1年目1名(220人日)、2年目2名(440人日)、3年目3名(660人日)。

6 · Three-Year Plan

3か年 数値計画

6-1. 損益計画

1年目
2026/9〜2027/8
2年目
2027/9〜2028/8
3年目
2028/9〜2029/8
売上高7802,1804,460
① 受託制作6001,1501,400
② 共同製作シェア1205301,240
③ 自社IP605001,820
売上原価178452866
生成API・SaaS48132246
外注費(声優・音楽・仕上げ)130320620
売上総利益6021,7283,594
(粗利率)77.2%79.3%80.6%
販管費4701,2762,504
人件費(役員報酬含む)3601,0001,980
設備・機材償却204060
法務・会計・登記306090
広報・映画祭出品・営業40110220
その他(通信・地代等)2066154
営業利益1324521,090
(営業利益率)16.9%20.7%24.4%

単位:万円。

6-2. 前提条件

為替1 USD = 159円(Trading Economics 2026/8/14
生成API単価2026年8月時点の公表単価。年10〜20%の下落を織り込むが、計画は現行単価で保守的に置く
受託単価1年目18万/話 → 3年目16万/話(下落を織り込む)
稼働率年220稼働日/人
人件費1年目:代表役員報酬360万円。2年目:+1名(正社員400万+法定福利)。3年目:+1名
消費税インボイス登録前提(簡易課税:第五種サービス業 みなし仕入率50%を想定)

6-3. 月次キャッシュフロー(1年目)

累計キャッシュフローの推移
キャッシュの底は5か月目(2027年1月)の約▲172万円。自己資金300万円で吸収可能。
単位:万円。入金サイト(翌月末)が最大のリスクのため、初回取引は前金50%を条件とする。損益分岐点(会計ベース)は月商約51万円。キャッシュベースの単月黒字(月商約59万円)は6か月目=2027年2月に到達する計画。

7 · Roadmap

制作ロードマップ

7-1. 1年目 — パイプライン確立と実績づくり

四半期制作事業
Q1(9-11月)短編#1「10分」制作(パイプライン検証を兼ねる)開業届/インボイス登録/ポートフォリオサイト/初回受託獲得
Q2(12-2月)短編#1 完成・映画祭出品開始小規模事業者持続化補助金 申請(受付2026/11/5〜12/15)
Q3(3-5月)短編#2「15分」制作(縦型シリーズのパイロットを兼ねる)WORLD AI FILM FESTIVAL KYOTO 2027 応募/受託4〜5案件
Q4(6-8月)短編#2 完成/縦型シリーズ企画開発共同製作パートナー探索(ショートドラマアプリ・ブランド)

1年目の必達事項は「作品2本と、それを作れることの証明」です。売上は結果であって目的ではありません。

7-2. 2年目 — IP化とシリーズ展開

7-3. 3年目 — 長編とライセンス

8 · Organization

体制・組織

8-1. 人員計画

年次人員役割
1年目1名(代表)企画・脚本・演出・パイプライン構築・営業のすべて
2年目2名代表(企画・演出・営業)+脚本/演出アシスタント
3年目3名プロデューサー/事業開発(IPライセンス・共同製作の座組担当)
採用方針

採用の優先順位は「オペレーター」ではなく「決められる人」です。生成作業はパイプラインが担うため、増員の価値は「創作的判断ができる人数を増やすこと」にあります。これは著作物性の確保(§4-4)とも直結します。

8-2. 外部パートナー

領域形態想定コスト
声優案件ごとの業務委託(AI利用の開示・同意・報酬を契約書に明記1本 5〜10万円
音楽Suno Pro/ElevenLabs Music(商用クリア済み)+必要時に作曲家月1.3万円〜
仕上げ(カラコレ・整音)案件ごと1本 3〜8万円
法務顧問弁護士(AI・著作権に明るい方)/スポット相談年20〜30万円
会計税理士(月次記帳・確定申告)年15〜25万円

8-3. 設備

項目金額時期
制作用PC(GPU:VRAM 24GB以上)45万円1年目Q1
モニター・音響(リファレンス環境)15万円1年目Q1
ストレージ(NAS+クラウドバックアップ)12万円1年目Q2
ソフトウェア(DaVinci Resolve Studio、Topaz Video AI等)12万円1年目Q1

GPU搭載機はMiniMax H3 のローカル配備(量子化版で最小VRAM約12GB、実用24GB推奨)を見据えた投資。日本はオープンウェイトの許諾不要地域であるため、将来的にAPI費用を大幅に圧縮できる可能性がある。

9 · Competition

競合分析と差別化

9-1. 競合マップ

区分プレイヤー強み本事業との関係
大手系AIスタジオCyber AI Productions、PYRAMID AI、テレビ朝日AIクリエイティブスタジオ資本・案件・営業力正面から競合しない。彼らが取らない小規模・実験的案件と、自社IP領域に張る
AI映像受託専業ニュウジア(NIUSIA AI STUDIO)、ALLIN STUDIO、DOT SCENE制作力・実績受託では競合。だからこそ受託を主戦場にしない
ショートドラマ制作ごっこ倶楽部、ナイトてんしょん、テラードラマIP・配信網共同製作パートナー候補。競合ではなく座組相手
フリーランスAIクリエイター多数低価格単価競争。降りる

9-2. 差別化の3層

内容模倣困難性
技術層Claude × MCP による自動化パイプライン。ドラフト工程の分離によるコスト構造の最適化中(技術は追随される)
プロセス層著作物性を確保する工程設計と証跡化(面倒なので誰もやらない。だが法的に不可欠)
資産層オリジナルIPの蓄積最高(時間でしか買えない)

技術で3か月、プロセスで1年、IPで3年の差がつく。技術だけで勝負すると、1年で追いつかれる。

9-3. ポジショニング

高単価・上流 低単価・下流 受託 自社IP
大手系AIスタジオCyber AI 等
本事業企画・IP起点
AI受託専業
フリーランス
(価格競争)

出典:Cyber AI Productions / ニュウジア NIUSIA AI STUDIO

10 · Funding

資金計画・補助金

10-1. 初期資金

設備投資
84万円
PC・モニター・NAS・ソフト
運転資金
180万円
キャッシュの底▲172万円への備え
予備費
36万円
必要資金計(自己資金で調達)
300万円

10-2. 活用する補助金

制度上限時期要件・注意
小規模事業者持続化補助金(第20回)基本50万円(2/3)+特例で最大250万円2026年11月5日〜12月15日/採択2027年3月個人事業主・フリーランス可。相見積基準が50万円超に引下げ
文化庁 メディア芸術クリエイター育成支援事業創作支援最大500万円/発表支援100万円例年5〜6月(令和8年度は5/13〜6/2)法人格不要・おおむね40歳以下。注意 AI生成画像は「補助的参考資料」の位置づけを求める規定あり。全編AI作品は想定外
デジタル化・AI導入補助金2026要確認2026年3月30日〜GビズID必須
J-LOD / JLOX+系、日本映画製作支援事業1,000万〜2億円年度ごと映像制作法人・映画製作法人が要件。法人化後(3年目以降)に狙う

10-3. 予備の資金手段(優先順位順)

  1. 技術顧問・研修(1回20〜40万円)— 即効性が高い。ただし制作時間を奪うため常用しない
  2. 日本政策金融公庫 新規開業資金
  3. クラウドファンディング(作品単位・ファン形成を兼ねる)

出典:補助金ポータル: 持続化補助金第20回 / 文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業 / 中小企業庁 / 補助金ポータル: 映像制作の補助金

11 · Risk

リスク分析と対策

#リスク影響確率対策
R1AI生成物の著作物性が認められず、IPライセンスが成立しない致命的創作的寄与の工程設計+証跡化を初日から標準運用(§4-4)。顧問弁護士に年1回レビュー
R2主力生成サービスの突然終了(Sora前例)3系統以上(fal.ai / Google / ローカルComfyUI)を常時稼働。中間成果物をツール非依存形式で保持
R3学習データ起因の侵害クレーム(Seedance 2.0でDisney/Paramount/MPAが提起)既存IPを想起させるプロンプトを禁止。納品前に類似性検索を実施。リスクの高いモデルは商用作品で限定使用
R4受託単価のさらなる下落企画・IP設計込みの上流に特化。オペレーション代行を受けない
R5声・肖像の法規制強化(法務省が2026年夏に指針)実在人物の声・容姿を使わない。合成音声は商用ライセンス付きのみ。契約書に同意・報酬・開示の3点を明記
R6キャッシュフロー逼迫(入金サイト)初回取引は前金50%。キャッシュの底に対し1.7倍の自己資金を確保
R7代表1名への依存(病気・事故)2年目に脚本・演出ができる人材を採用。パイプラインを文書化し属人性を下げる
R8生成API価格の高騰現に下落トレンド。逆行例(Kling 2系が約3倍に値上げ)もあるため、モデル固定をしない
R9プラットフォームのポリシー変更配信収益を主収益に置かない設計(§1-3)

11-2. 特に重い R1 への具体的対応

施策実施時期
human_judgment を全テイクに記録する運用の徹底初日から
不採用テイクを削除せず保管(選択の存在証明)初日から
企画・脚本・絵コンテを git 管理し、改稿履歴を残す初日から
顧問弁護士による著作物性レビュー(作品単位)各作品の完成時
文化庁ガイダンス・法務省検討会の指針を四半期ごとに確認四半期
ライセンス契約書に「AI利用の開示」条項を標準搭載2年目〜

12 · KPI & Milestones

KPIとマイルストーン

12-1. 先行指標(週次で見る)

KPI1年目目標なぜ見るか
自社IPへの投下人日比率27%この事業の実質的な目標。売上より先に見る
ショット採用率(採用テイク数/生成テイク数)30%以上パイプライン成熟度。低いとコストが暴れる
1分完成尺あたりの生成コスト6,000円以下コスト構造の健全性
1分完成尺あたりの投下人日2.5人日以下生産性。ボトルネックは常に時間
提案数/月4件受託パイプライン

12-2. 遅行指標(月次)

KPI1年目2年目3年目
売上高780万2,180万4,460万
営業利益率16.9%20.7%24.4%
自社IP売上比率8%23%41%
受託の平均単価18万/話17万/話16万/話
リピート率40%55%65%

12-3. マイルストーン

2026年11月
パイプライン v1.0 稼働

10分短編を32人日以内で完成できる

2026年12月
持続化補助金 申請完了

提出

2027年2月
短編#1 完成・映画祭出品

3件以上に出品

2027年2月
単月黒字化(月商59万円・キャッシュベース)

単月キャッシュフロー黒字

2027年8月
短編#2 完成/共同製作の座組1件成立

契約締結

2028年2月
映画祭での受賞または配信PFへの供給決定

いずれか

2028年8月
縦型シリーズ第1期 配信開始/2人目採用完了

2029年8月
長編1本完成/IPライセンス契約1件以上

13 · Exit Criteria

撤退基準

事業計画に撤退基準を書くのは、書かないと撤退できないからです。以下のいずれかに該当した場合、事業モデルの根本的な見直しまたは撤退を判断します。

#基準判定時期
1累計キャッシュフローが▲250万円を超えた随時
22027年6月(10か月目)時点で単月黒字を1度も達成していない(計画では6か月目)2027年6月
32年目末時点で自社IP売上比率が10%未満(=受託会社になっている)2028年8月
4AI生成物の著作物性について、IPライセンスが法的に成立しないことが明確になった随時
5受託の平均単価が10万円/話を下回った(=価格競争に巻き込まれた)半期
基準3が特に重要

受託で食えてしまうと、IPを作らなくなります。それは「儲かっているが、この計画の目的を達成していない」状態です。

付録:本計画で採用しなかった数値(透明性のため明記)

数値理由
「日本のショートドラマ市場 2026年 約1,530億円」YH Research由来の孫引き。一次情報を確認できず
「AI動画で月収100万円」等のクリエイター収益事例出典が示されておらず検証不能。確認できた実例は月約5万円
TikTok Creator Rewards の RPM 実額信頼できる公表値なし
Amazon Prime Video Direct のロイヤリティレート2019年時点の情報しか確認できず、現行値不明
「内閣府がAI生成コンテンツ表示義務化ガイドライン案を公表」参照先URLが404。一次情報を確認できず

Sources

出典一覧

電通 — 2025年 日本の広告費 サイバーエージェント — 動画広告市場調査 矢野経済研究所 — 動画制作サービス市場 日本映画製作者連盟 — 2025年統計 日本能率協会総合研究所 — ショートドラマ市場 Grand View Research — AI Video Generator Market サイバーエージェント — AI動画センター設立 Cyber AI Productions ニュウジア — NIUSIA AI STUDIO ITmedia — テレ朝×サントリー 地上波初の全編AI CM Variety — Dreams of Violets(Tribeca映画祭) Cartoon Brew — Critterz Marketing Dive — IAB 生成AI採用調査 日経クロストレンド — ショートドラマ 文化庁 — AIと著作権に関する考え方について 文化庁 — チェックリスト&ガイダンス US Copyright Office — Copyright and AI Part 2 YouTube — 収益化ポリシー BRANC — 法務省 肖像・声 検討会 日本俳優連合 OpenAI — Sora discontinuation Wikipedia — Seedance 2.0(法的異議) 補助金ポータル — 小規模事業者持続化補助金 第20回 文化庁 — メディア芸術クリエイター育成支援事業 中小企業庁 — デジタル化・AI導入補助金2026 補助金ポータル — 映像制作関連の補助金 経産省 — エンタメ・クリエイティブ産業戦略 VIPO Vertex AI 料金 Atlas Cloud — MiniMax H3 API Pricing explainx.ai — MiniMax H3 ライセンス(日本は許諾不要地域) fal.ai — Seedance 2.5 Trading Economics — USD/JPY