SYNON 記事 Cloudflare・インフラ

Cloudflare 全機能カタログ
シンオン株式会社 活用可能性評価

Cloudflare が提供する100種類以上の製品を全件洗い出し、当社の規模・事業内容・既存インフラに照らして「導入済 / 導入推奨 / 要検討 / 将来候補 / 不要」の5段階で評価した技術選定資料です。

作成日: 2026-08-14 評価対象: 108項目 前提: 従業員約50名 / 受託開発 / AWS EC2 関連: Cloudflare Zero Trust 移行プロジェクト

1エグゼクティブサマリ

Cloudflare の製品は 2026年8月時点で 100種類以上。本書では全108項目を洗い出し、5段階で判定しました。

判定別の件数内訳(全108項目) ◎ 導入推奨 37 ○ 要検討 29 △ 17 × 20 ★ 導入済 — 5件 移行プロジェクトで既に採用中(Tunnel / WARP / Access / Gateway DNS ほか) ◎ 導入推奨 — 37件 効果が明確で、無料〜低コストで即着手できる ○ 要検討 — 29件 有用だが、案件要件やコストの判断が必要 △ 将来候補 — 17件 現時点では優先度低。事業拡大や案件次第 × 不要 — 20件 大企業・特殊規制向けで、当社規模では該当なし
図1: 判定別の件数内訳
◎が37件と多いのは偶然ではありません Cloudflare は「基本機能を無料で開放し、規模と高度な機能で課金する」モデルです。50名規模・受託開発という当社のプロファイルでは、追加費用ゼロで使える機能が非常に多く残ります。逆に「×不要」20件はすべて大企業・特殊規制向けで、当社が検討する必要はありません。

いちばん重要な3つの結論

1 社内ITは Freeプランで完結 Access / Tunnel / WARP / Gateway DNSフィルタ / DEX まで 50ユーザー 無料。追加投資ゼロで「社内アクセス 基盤+Webフィルタ+端末可視化」が 揃います。 ⚠ ただし期待してはいけない Browser Isolation / CASB / DLPフル / Egress は有料プラン以上 2 受託開発の武器は 開発者プラットフォーム R2・Workers・Pages・Turnstile は、 顧客案件の提案原価を直接下げます。 R2 = egress(転送量)完全無料 S3 の転送量課金を丸ごと消せる Turnstile = 無料・検証無制限 reCAPTCHA 代替として全案件に 3 今すぐやるべき ゼロ円施策が5つ 自社サイトに WAF / DDoS / CDN DMARC でなりすまし対策 Turnstile を社内標準部品に Web Analytics(同意バナー不要) Registrar 移管でドメイン原価化 いずれも追加費用 ¥0
図2: 本評価の3つの結論

2Cloudflare 製品マップ(全体像)

Cloudflare の製品群は、大きく「社内を守る(Cloudflare One)」「公開サービスを守る・速くする(Application Services)」「作る(Developer Platform)」の3つの層に整理できます。当社に関係するのは主にこの3層で、その外側にある大企業向けネットワーク製品群は対象外です。

Cloudflare グローバルネットワーク(348都市 · 100+カ国) すべての製品がこの同一のエッジ上で動作する A. 社内を守る — Cloudflare One / Zero Trust Cloudflare Tunnel ★ 導入済 One Client (WARP) ★ 導入済 Access (ZTNA) ★ 導入済 Gateway DNS/NW ★◎ 無料 DEX 端末監視 ◎ 無料 Gateway HTTP ○ 要検討 Browser Isolation △ 有料のみ DLP △ Free は限定 CASB / 内部DNS × Enterprise限定 対象: 社員約50名の端末と、EC2上の社内システム → 現在の移行プロジェクトの中心領域。Freeプランでほぼ完結 B/C. 公開サービスを守る・速くする WAF / DDoS ◎ 無料 CDN / Cache ◎ 帯域無課金 Turnstile ◎ 無料・無制限 Universal SSL ◎ 無料 APO (WordPress) ◎ $5/月 Zaraz / Analytics ◎ 無料枠大 Managed Ruleset ○ Pro $25/月 Argo / LB ○ $5/月〜 Waiting Room ○ Business $250 対象: 自社サイト(synon.co.jp)と、顧客に納品するサイト → 顧客案件の提案材料。Freeでも防御の土台が揃う E/F/G. 作る — Developer Platform / AI / Media R2 ストレージ ◎ egress 完全無料 Workers ◎ 10万req/日 無料 Pages ◎ 静的配信 無制限 D1 / KV ◎ 無料枠あり Hyperdrive ◎ 既存RDS高速化 Workers VPC ◎ beta・無料 AI Gateway ◎ コア機能無料 Images ◎ 月5,000変換無料 Durable Objects ○ Queues / Workflows ○ Vectorize / AI Search ○ Containers △ 有料のみ → 受託開発会社としての「武器」。顧客案件の構成部品にして提案原価を下げられる領域 対象外(× 不要 20件) Cloudflare WAN (旧 Magic WAN) Magic Transit / BYOIP Cloudflare One Appliance Network Interconnect CASB / Internal DNS Data Localization Suite Geo Key Manager / Keyless SSL Privacy Gateway / Pass / Proxy China Network / Web3 多拠点・自社ASN・規制要件が前提
図3: Cloudflare 製品マップと当社での位置づけ

3評価の前提と判定基準

判定基準の凡例

★ 導入済 移行プロジェクトで採用中
◎ 導入推奨 無料〜低コストで即着手
○ 要検討 案件要件・コスト判断が必要
△ 将来候補 現時点は優先度低
× 不要 当社規模では該当なし

判定の前提となる「シンオン社の条件」

条件内容評価への影響
従業員規模約50名Zero Trust Free の上限ちょうど。1名増えると $7/user/月 の Pay-as-you-go へ移行が必要
事業内容受託のWeb制作・システム開発・アプリ開発開発者プラットフォーム(Workers / R2 / Pages)の価値が高い。顧客案件への転用可否が主要な判定軸になる
インフラAWS EC2(自社システムと顧客向けサービスが同居)R2・Workers VPC・Hyperdrive が AWS コスト削減の候補
拠点単一拠点(大阪)Magic WAN / Magic Transit / One Appliance など拠点間WAN製品は不要
規制要件特段の金融・医療規制なし(想定)Data Localization Suite / Geo Key Manager / Keyless SSL は不要
現行の課題VPN運用負荷、証明書配布、ライセンス費Zero Trust 移行で解消済み/解消予定
前提に関する注記 事業内容・拠点・規制要件は、公開情報と進行中の Cloudflare 移行プロジェクトの文脈からの推定を含みます。実態と異なる場合は、該当項目の判定が変わります。特に「規制要件」と「拠点数」は、× 判定20件の根拠になっているため、認識と相違があればご指摘ください。

4A. Cloudflare One / Zero Trust(社内IT基盤)

現在の移行プロジェクトの中心領域です。Free プラン(50ユーザー)でほぼ完結しますが、有料プラン以上でしか使えない機能を正しく把握しておくことが重要です。

現在の構成と、その上に無料で積める機能 社員端末 約50台 Cloudflare One Client (WARP) ★ 導入済 端末ポスチャ検証 ◎ 追加費用なしで有効化 DEX 合成テスト ◎ 到達性を常時監視 認証: メール One-time PIN (@synon.co.jp 限定) 50シートで上限 Cloudflare エッジ(Gateway / Access) Access (ZTNA) ★ 導入済 / Free 50ユーザー Gateway DNSポリシー ★ 500ポリシーまで無料 Gateway Networkポリシー ◎ TCP/UDP を IP・ポートで制御 Gateway HTTPポリシー ○ 端末50台への証明書配布が必要 ▼ ここから先は Free では使えない Browser Isolation PAYG/Ent アドオン DLP フル機能 Free は定義済み2種のみ CASB / Internal DNS Enterprise 限定 Egress ポリシー Enterprise 限定 AWS VPC EC2 社内Webシステム インバウンド全閉塞 外向き通信のみ cloudflared (Tunnel) ★ 導入済 / 無料 プライベートネットワーク ルーティング(CIDR単位) SSH / RDP / 任意TCP も到達可 暗号化 外向き インバウンド不可 ◎ 印の3つ(Network ポリシー / 端末ポスチャ / DEX)は、すでに動いている構成に設定を足すだけで有効化でき、追加費用は発生しません。 ⚠ 赤枠内の4機能は Free では利用できません。稟議・提案でこれらを前提にしないよう注意してください。
図4: Zero Trust の現構成と、Free プランで積み増せる機能/積めない機能

機能一覧と判定

Cloudflare Tunnel
★ 導入済無料
cloudflared がサーバ側からアウトバウンドのみで接続を確立。パブリックIP・インバウンド開放が不要。
移行プロジェクトの根幹。EC2 の「外向きのみ」ポリシーを維持できる決め手になった機能。
Tunnel プライベートネットワークルーティング
★ 導入済無料
CIDR単位でプライベート網へ到達。HTTP以外(SSH / RDP / 任意のTCP・UDP)も通る。
独自ドメイン不要構成を成立させている機能。サーバ起点の通信はトンネルを通らない点だけ設計上の注意。
Cloudflare One Client(旧 WARP)
★ 導入済無料
端末トラフィックを Cloudflare 網へ。WireGuard / MASQUE トンネル + DNS-over-HTTPS の二層構成。
「アプリを入れた端末だけ」という要件を実現している要。Windows / macOS / Linux 対応。
Cloudflare Access(ZTNA)
★ 導入済Free(50ユーザー)
アプリ単位のアクセスポリシー。IdP連携、メール One-time PIN 認証。アプリ最大500、IdP最大50。
@synon.co.jp ドメイン制限で登録者を限定中。将来的に Google Workspace / Entra ID へ切替可能。
Gateway — DNSポリシー
★ 導入済Free(500ポリシー)
全DNSクエリを検査し、名前解決の前にドメインをブロック。端末への証明書インストールは不要。
まだカテゴリ設定をしていなければ最優先で。マルウェア/フィッシングドメインを全社50台分まとめて遮断できます。
Gateway — Networkポリシー
◎ 導入推奨Free(500ポリシー)
TCP / UDP / GRE パケットを IP・ポート・プロトコル・SNI で検査。SSH や RDP など非HTTPサービス向け。
「EC2 への到達はWARP登録端末のみ」をポリシーとして明示でき、監査時の説明材料になります。
Digital Experience Monitoring(DEX)
◎ 導入推奨Free(テスト10件 / キャプチャ100件·日)
端末・ネットワーク・アプリの健全性を可視化。合成テストで接続性を自動検証し、劣化時にアラート。
移行後の運用品質を担保する目玉機能。「VPNが遅い」という申告の切り分けが属人化しなくなります。
端末ポスチャ検証
◎ 導入推奨無料
OSバージョン・ディスク暗号化の有無・位置情報などを、アクセス許可の条件に組み込める。
「会社支給端末のみ許可」を技術的に担保。私物端末での接続を運用ルールでなく仕組みで防げます。
Gateway — HTTPポリシー
○ 要検討Free(500ポリシー)
URL・ヘッダ・ファイル単位でWebリクエスト全体を検査。HTTPS復号のため端末へのルート証明書インストールが必須。
効果は高いが、端末50台への証明書配布作業が発生します。パイロット部署から段階導入を推奨。
Gateway — Egressポリシー
○ 要検討Enterprise 限定
送信トラフィックに組織固定の送信元IPを割り当て、第三者サービス側から自社を識別可能にする。
「顧客システムのIP許可リストに登録したい」場合の唯一の解。案件要件になった瞬間に価値が跳ね上がります。価格は要問い合わせ。
Email Security(旧 Area 1)
○ 要検討別契約・年間・単価非公開
AI+脅威インテリでフィッシング / BEC / マルウェア / ベンダー詐欺を検知。API / BCC / MX の3方式で展開。
Advantage ティアが従業員5,000名未満向けで当社が対象。ただし Google Workspace / M365 標準の対策で足りるか先に検証を。
Browser Isolation(RBI)
△ 将来候補Free 対象外・アドオン
Webページのコードをエッジの隔離ブラウザで実行し、描画結果のみ端末へ転送。ゼロデイ・マルウェアから保護。
Free では一切使えません。Pay-as-you-go / Enterprise のアドオン(価格・同時セッション数とも非公開)。顧客の機微情報を扱う案件が増えたら再検討。
DLP(データ損失防止)
△ 将来候補Free は定義済み2種のみ
機微データの検出。AIプロンプトも対象。スキャン内容はメモリ内で暗号化されたまま処理される。
Free 枠は「金融情報」「社会保障・保険・税・識別番号」の米国向けプロファイル中心で、日本のマイナンバー等には実用性が薄いのが実情。
Cloudflare Mesh
△ 将来候補要確認
ポスト量子暗号によるサービス・デバイス間メッシュネットワーク。
現構成は Tunnel で足りています。マルチクラウド化や拠点増加が起きたら検討対象に。
CASB
× 不要Enterprise 限定
SaaS/クラウド環境の設定ミス・過剰共有・シャドーITを検出。
当社規模では価格が見合いません。SaaS の設定監査は手動棚卸しで代替可能。
Internal DNS
× 不要Enterprise 限定
プライベート網のホスト名解決。DNSビューで送信元に応じた応答の出し分けが可能。2026年7月 GA。
単一VPC・少数サーバの当社構成では過剰。/etc/hosts や既存の内部DNSで十分。
Cloudflare WAN(旧 Magic WAN)
× 不要Enterprise(Custom)
拠点間WANを Cloudflare 網で置換。IPsec / GRE / 直接接続、BGPピアリング、クラウドオンランプ。
単一拠点のため対象外。将来複数拠点になっても、規模的には Tunnel での代替を先に検討すべき。
Magic Transit / One Appliance
× 不要Enterprise(Custom)
BGPで自社IPプレフィックスを引き込みL3/L4 DDoS防御/SD-WANアプライアンス(Dell VEP1460 or 仮想)。
自社ASN・IPプレフィックスを保有していないため前提を満たしません。One Appliance は Cloudflare WAN 契約が必須。

プラン上限に関する重要な注意

⚠ Free の50シートは「51人目がログインできない」という形で効いてきます シートは認証イベントで消費され、手動削除またはシート有効期限まで保持されます。つまり退職者のシートを回収しないと、実人数より早く上限に達します。採用計画がある場合は、事前に Pay-as-you-go($7/user/月 ≒ 50名で $350/月)への切替を予算化してください。
⚠ ログ保持は Free では24時間のみ Pay-as-you-go は30日、Enterprise は6ヶ月+Logpush。インシデント調査には24時間は短すぎるため、必要なログを24時間以内に外部(S3 / R2 など)へ退避する運用を、移行完了までに決めておいてください。あわせて、サポートは Free では Community フォーラム / Discord のみで、障害時に自力解決できる体制が前提になります。

5B. アプリケーションセキュリティ

自社サイト(synon.co.jp)と、顧客に納品するサイトの両方に効く領域です。Free プランでも防御の土台が一通り揃うため、まず自社で実践し、そのまま顧客提案の実績にできます。

リクエストが通過する防御レイヤーと、その料金ライン インターネット 👤 正常な訪問者 🤖 ボット / 攻撃 DDoS スパム投稿 レイヤー1: Free で使える(◎) DDoS Protection L3/L4/L7 · 帯域無制限 · 全プラン無料 WAF カスタムルール + Free Managed 広範に悪用される脆弱性への保護 Bot Fight Mode 既知ボットにチャレンジ発行 Turnstile 検証リクエスト無制限 · ウィジェット20個 Universal SSL · Leaked credentials 自動証明書 · 漏洩パスワード検知 API Shield(無料範囲)· Security Center スキーマ検証 · mTLS · 資産インベントリ 追加費用 ¥0 でここまで レイヤー2: Pro $25/月〜(○) Cloudflare Managed Ruleset OWASP Core Ruleset を含む 本格的な WAF はここから Super Bot Fight Mode ボット種別ごとにアクション設定 Rate Limiting 2〜5本 Free は1本・IP軸・10秒窓のみ ACM $10/月 多段サブドメイン対応 · 50ホスト名 Business $250/月 Client-side security(接続·Cookie監視) Waiting Room · PCI DSS 4.0 顧客の公開サイトを預かる案件で 提案原価に含める価値あり オリジン 自社サイト synon.co.jp 顧客納品サイト EC2 / WordPress / SPA API / 会員機能 スキーマ検証・漏洩検知の対象 オリジンに届くのは 検査を通過したリクエストのみ ◎ レイヤー1(緑)だけで、DDoS・既知の脆弱性攻撃・ボット・スパム投稿・証明書管理までカバーできます。 ○ レイヤー2(青)は「顧客に SLA を約束する案件」で初めて必要になる層。案件単位で原価に載せる判断を。
図5: 防御レイヤーと料金ラインの対応

機能一覧と判定

DDoS Protection
◎ 導入推奨全プラン無制限・無料
L3/L4(ネットワーク層)および L7(HTTP)の DDoS 防御。帯域・攻撃規模に関わらず追加課金なし。
Cloudflare を通すだけで有効。使わない理由がありません。顧客への「DDoS対策込み」の説明材料にもなります。
WAF(カスタム+Free Managed Ruleset)
◎ 導入推奨Free で利用可
不正リクエストのフィルタ。カスタムルールに加え、広範に悪用される脆弱性を対象とする無料マネージドルールセット。
Free でも「何もしていない状態」より確実に強い。まず自社サイトで有効化を。
Turnstile
◎ 最優先Free · 検証リクエスト無制限
CAPTCHA代替。ユーザーに謎解きをさせない人間性検証ウィジェット。WCAG 2.2 AAA 準拠。ウィジェット20個 / アカウント。
全案件の標準部品にすべき最有力候補。reCAPTCHA からの置換で UX が改善し、Google への依存も外れます。ウィジェット20個の上限にだけ注意(アカウント分割で回避可)。
Bot Fight Mode
◎ 導入推奨Free
既知のボットパターンに CPU 負荷の高いチャレンジを発行。
自社サイトはこれで十分。ただし Ruleset Engine 非対応のため WAF での除外設定ができない点に注意。
Universal SSL
◎ 導入推奨全プラン無料
DV証明書を自動発行・自動更新・自動配備。ルートドメインと第1階層サブドメインをカバー。
証明書更新作業が消えます。ただし api.staging.example.com のような多段サブドメインは対象外で、その場合は ACM($10/月)が必要。
Leaked credentials detection
◎ 導入推奨Free で「Password Leaked」
受信リクエスト内の認証情報を漏洩DBと突合。平文パスワードは保存・ログ・保持されずハッシュ化して比較。
会員機能を持つ顧客サイトに無料で追加できる安心材料。ユーザー名+パスワードの組合せ検知は Pro 以上。
API Shield(無料範囲)
◎ 導入推奨全顧客が無料で利用可
Endpoint Management / Schema Validation / mTLS(Cloudflare 管理 CA 使用時)が無料で使える。
API開発案件で「スキーマ検証をエッジで実施」は提案の差別化になります。アプリ側の実装が減る分、工数も下がる。
Security Center
◎ 導入推奨全プランで利用可
リスク・脆弱性管理、ドメイン/IP資産インベントリ、脅威調査、Brand Protection(beta)。
自社ドメインのタイポスクワッティング監視が無料で手に入ります。手動スキャンは Business 以上、スキャン頻度は Free/Pro/Business が7日ごと。
Challenges
◎ 導入推奨Free
軽量なチャレンジで訪問者がボットでないことを検証。WAF のアクションとして指定できる。
「ブロック」ほど強くない中間的な対処として有用。誤検知時の影響を抑えられます。
WAF Cloudflare Managed / OWASP Core Ruleset
○ 要検討Pro $25/月〜
Cloudflare セキュリティチームが継続更新する本格的なマネージドルールセット。ゼロデイにも順次対応。
顧客の公開サイトを預かる案件では、Pro 契約を提案原価に含める価値があります。月$25は保守費に十分吸収できる水準。
Super Bot Fight Mode
○ 要検討Pro / Business に内包
「Definitely automated」「Likely automated」「Verified bots」ごとにアクションを設定。静的リソース保護や skip ルールにも対応。
顧客サイトで在庫・価格スクレイピング対策が要件になったときの回答。
Rate Limiting
○ 要検討Free 1本 / Pro 2本 / Business 5本
式にマッチするリクエストのレート上限とアクションを定義。Free は1本・IP軸・10秒窓・緩和10秒のみと制約が大きい。
ログイン試行やAPI乱用の抑止。制約はあってもFree枠の1本は張っておく価値があります。従量単価は「総HTTPトラフィックに基づく」とのみ公開。
Advanced Certificate Manager(ACM)
○ 要検討$10/月
CA・検証方式・有効期間を選択可。証明書あたり最大50ホスト名。ホスト名単位の暗号スイート/最小TLSバージョン制御。
多段サブドメインを使う顧客案件で必須になります。Universal SSL の穴を埋める位置づけ。
Client-side security(旧 Page Shield)
○ 要検討Free はスクリプト監視のみ
訪問者ブラウザが読み込むスクリプト・接続先・Cookie を監視し、クライアントサイドのサプライチェーン攻撃を検知。
接続監視・Cookie監視は Business 以上、悪性スクリプト検知は Advanced。ECサイト案件(カード情報スキミング対策)で訴求できます。
Waiting Room
○ 要検討Business $250/月〜
仮想待合室でトラフィック集中を制御し、オリジンの過負荷を防ぐ。Free / Pro では利用不可。
チケット販売・限定販売など、顧客案件のスパイク対策。単発イベントなら該当月だけの契約という選択肢もあります。
Smart Shield
○ 要検討Argo とセットで $5/月〜
オリジン保護の設定をワンクリックで適用。
設定工数を削れます。Argo Smart Routing とのセット提供。
Fraud Detection
△ 将来候補Enterprise 想定
Cookie を用いてリクエストの順序とタイミングを追跡し、不正な操作パターンを検知。
決済・ポイント系の大規模案件が出たら。
Bot Management(Enterprise)
× 不要個別見積
全リクエストにボットスコア1〜99を付与し、WAF や Workers でスコアベースの精密制御。
当社規模では過剰。Super Bot Fight Mode で足ります。
API Shield フルスイート
× 不要Enterprise アドオン
API Discovery / Sequence Analytics / Volumetric Abuse Detection など。
無料範囲(スキーマ検証・mTLS)で当面は十分。

6C. パフォーマンス / 配信

制作会社にとって最も直接的に効く領域です。とくに CDN の帯域無課金WordPress 向け APO は、既存案件の原価と品質の両方を動かします。

キャッシュ階層 — どこまでで返せるかがコストと速度を決める 訪問者 👥 国内・海外 モバイル・PC ① エッジキャッシュ CDN / Cache ◎ 帯域課金なし · 全プラン無料 APO(WordPress) ◎ HTMLごとキャッシュ Zaraz / Web Analytics ◎ タグ実行と解析もエッジで ② 上位ティア Tiered Cache ◎ 全プラン無料 要・個別有効化 Argo Smart Routing ○ $5/月〜 · 海外向けに効く △ Cache Reserve(R2永続層) ③ オリジン(AWS EC2) Web アプリケーション ここに届く回数が減るほど EC2 費用が下がる Load Balancing ○ $5/月〜 ALB より安く済むケースあり Health Checks ◎ 監視SaaSを一部代替 MISS時 MISS時 今すぐできる無料施策: Tiered Cache を有効化するだけでオリジン到達回数が下がります(デフォルト無効のため設定漏れが非常に多い)。 WordPress 案件では APO を1件で検証 → TTFB の改善を実測し、他案件へ横展開するのが最短ルートです。
図6: キャッシュ階層と各機能の位置づけ
CDN / Cache
◎ 導入推奨全プラン無料・帯域無課金
グローバルCDNによる静的・動的コンテンツのキャッシュ配信。転送量による従量課金がない。
AWS CloudFront の転送量課金と比べた最大の差。アクセスが伸びても配信費が増えないため、顧客案件の原価が読めるようになります。
Tiered Cache
◎ 導入推奨全プラン無料
データセンターを階層化し、下位ティアが上位ティアのキャッシュを参照してからオリジンへ。ヒット率向上とオリジン負荷削減。
Argo とは別機能で、個別に有効化が必要。有効化するだけで効くのに設定漏れが多い機能です。今すぐ確認を。
Automatic Platform Optimization(APO)
◎ 導入推奨Free ゾーンは $5/月 · Pro 以上は内包
Workers を用いて WordPress サイトをHTMLごとエッジキャッシュ。専用プラグインのインストールが必要。
WordPress 案件を持つ制作会社にとって費用対効果が最も高い機能のひとつ。TTFB が劇的に改善します。まず1件で実測を。
Zaraz
◎ 導入推奨月100万イベント無料
GA・広告タグなどのサードパーティスクリプトをエッジ/クラウド側で実行し、ブラウザ負荷とプライバシーリスクを削減。超過は $5/月ごとに100万イベント追加。
「タグを盛ったらサイトが重くなった」という制作あるあるへの直接的な回答。Core Web Vitals の改善材料として提案できます。
Web Analytics
◎ 導入推奨全プラン無料
プライバシー重視のクライアントサイド解析。DNS変更やプロキシ経由が不要で、JSビーコンを埋め込むだけ。
Cookie を使わないため同意バナーが不要。GA4 の補完、あるいは「解析は入れたいが同意管理は避けたい」顧客への提案として使えます。
Health Checks
◎ 導入推奨標準機能
IP/ホスト名を監視し、異常時に通知。
監視SaaSの一部を置き換えられます。Notifications と組み合わせて障害の一次通報経路に。
Argo Smart Routing
○ 要検討$5/月〜(月1GB込み)
Cloudflare 網内で輻輳を回避する最適経路をリアルタイム選択し、オリジンまでの遅延を削減。
海外からのアクセスが多い顧客サイトで効果あり。国内完結の案件では効果が限定的なので、まず Analytics でアクセス元を確認してから判断を。超過単価はダッシュボード提示。
Load Balancing
○ 要検討$5/月〜(DNSクエリ50万件込み)
ヘルスチェック、フェイルオーバー、地理・動的ステアリング。
EC2 の冗長化を検討するタイミングで。ALB より安く済むケースがあります。オリジン追加単価は要確認。
Speed 最適化群
○ 要検討機能ごとに異なる
Polish(Pro以上の画像最適化)、Early Hints、Rocket Loader、Speed Brain、Cloudflare Fonts、コンテンツ圧縮、Prefetch URLs など。
案件ごとに取捨選択。個別機能のプラン要件はそれぞれ異なるため、採用前に各機能ページで確認を。
Cache Reserve
△ 将来候補$0.015/GB-月 ほか
R2 をバックエンドにした永続キャッシュ層。デフォルト保持30日(アクセスでリセット)。
オリジン負荷が実際に問題化してから。まず Tiered Cache で足りるか確認を。
China Network / BYOIP / Network Interconnect
× 不要Enterprise
中国国内向け配信網/自社IPの持ち込み/専用線での相互接続。
中国向け案件がなく、自社ASN・IPプレフィックスも未保有のため前提を満たしません。

7D. DNS / ドメイン / メール

「今すぐ・無料でできて効果が明確」な施策が集中している領域です。とくに DMARC Management は、取引先を守る意味でも優先度が高い施策です。

DMARC Management — 「シンオン社を騙るメール」を止める仕組み 正規の送信元 Google Workspace 問い合わせフォーム 各種SaaS からの通知 なりすまし送信者 From: xxx@synon.co.jp を騙るフィッシング 取引先に届く=信用の毀損 受信側での認証判定 SPF · DKIM · DMARC ✓ 通過 → 受信箱へ ✗ 失敗 → 隔離/拒否 Cloudflare DMARC Management ◎ 無料 自ドメインから送信している全ソースを追跡 各ソースの SPF / DKIM / DMARC 通過状況を可視化 「知らない送信元」=不正利用の可能性を特定 レポートを解析するツールを別途契約する必要なし 前提条件: Cloudflare DNS の利用が必須 (Email Routing の利用は不要) → フェーズ1のDNS移管とセットで実施するのが効率的 レポート ⚠ SPF/DKIM/DMARC が未整備だと、第三者が貴社ドメインを騙って取引先にフィッシングメールを送れます。無料で塞げるリスクです。
図7: DMARC Management による送信ドメイン認証の可視化
DMARC Management
◎ 最優先全プラン無料
自ドメインからメールを送信している全ソースを追跡し、SPF / DKIM / DMARC の通過状況を可視化。Cloudflare DNS の利用が前提。
synon.co.jp のなりすまし対策を無料で始められます。今すぐやるべき筆頭。取引先へのフィッシング被害を未然に防ぎます。
Authoritative DNS
◎ 導入推奨全プラン無料
高速・耐障害性の権威DNS。DNSSEC および Multi-signer DNSSEC に対応。
Route 53 のホストゾーン料金+クエリ課金を置き換えられます。DMARC Management の前提条件でもあるため、まずここから。
Registrar
◎ 導入推奨$7.85〜(原価提供)
マークアップを一切乗せない原価提供レジストラ。390+ TLD 対応。WHOIS秘匿・DNSSEC が無料付帯。
自社+管理代行している顧客ドメインを移管すると、そのまま更新原価が下がります。お名前.com 等の更新価格と比較する価値大。実価格は TLD ごとに要確認。
Email Routing
◎ 導入推奨全プラン無料・無制限
独自ドメイン宛の受信メールを任意アドレスや Workers へルーティング。受信専用。ルール200/ドメイン、宛先200/アカウント、25MiB/通。
info@ support@ の転送用に。顧客の小規模サイトで「メールサーバを立てずに問い合わせ受信」が実現でき、保守対象を1つ減らせます。
Email Service(送信 / transactional)
○ 要検討Workers Paid で3,000通/月込み · 以降 $0.35/1,000通
Workers バインディング / REST API / 認証済みSMTP でトランザクションメールを送信。2026年4月 public beta。Workers Free では送信不可。
SendGrid / SES の代替候補。ただしbeta のため本番顧客案件への採用は慎重に。まず社内通知系で試すのが安全です。
1.1.1.1 / Time Services(NTP·NTS·Roughtime)
○ 要検討無料
パブリックDNSリゾルバと時刻同期サービス。
社内NTPの参照先として。運用コストゼロで信頼性を上げられます。
DNS Firewall
× 不要Enterprise アドオン
自社ネームサーバへのDNSクエリをプロキシし、上流ネームサーバを DDoS から保護。
自前の権威DNSを運用していないため対象外。Cloudflare DNS に移管すればこの心配自体がなくなります。

8E. 開発者プラットフォーム(受託開発の武器)

受託開発会社であるシンオン社にとって、最も事業インパクトが大きい領域です。自社利用にとどまらず「顧客案件の構成部品」として提案原価を下げられます。

いちばん効くのは R2 の egress 無料

ストレージのコスト構造比較(100GB保存 · 月1TB配信のケース) ※ 単価は公式ドキュメント記載値。AWS 側は東京リージョンの一般的な水準を目安として表示(実額は構成により変動) AWS S3 + CloudFront ストレージ 100GB 少額 リクエスト課金 少額 データ転送(egress)1TB 配信量に比例して青天井に増える 最大のコスト Cloudflare R2 ストレージ $0.015/GB-月 少額 Class A $4.50 / Class B $0.36(各100万req) データ転送(egress) どれだけ配信しても増えない $0 完全無料 無料枠: ストレージ 10GB-月 · Class A 100万req/月 · Class B 1,000万req/月。移行ツール Super Slurper も無料(Class A 分のみ課金)。
図8: R2 と S3 のコスト構造の違い
◎ 最優先の検討対象 画像・動画・ファイルダウンロードを含む案件では、コスト構造そのものが変わります。「アクセスが伸びると配信費が読めない」という受託案件の典型的なリスクが消えるため、見積もりの精度も上がります。まず既存案件1件で試算してみることを推奨します。

既存 AWS 構成との組み合わせ方

全面移行ではなく「段階的に載せ替える」構成が現実的 Cloudflare Developer Platform Workers API · BFF · 画像変換 · リダイレクト Pages LP · コーポレートサイト · SPA R2 画像・動画・ファイル D1 / KV 小〜中規模DB · 設定値 Images / Browser Rendering 最適化配信 · 帳票PDF · OGP生成 Hyperdrive ◎ 既存RDSへの接続プール+キャッシュ Workers Paid でクエリ数無制限 Workers VPC ◎ プライベート網へ Workers から接続 beta · 全Workersプランで無料 この2つが「既存資産を捨てずに Cloudflare を足す」ための橋渡しになる 現在の Tunnel 資産をそのまま活かせるのが利点 既存 AWS 環境(そのまま残す) EC2 業務アプリケーション 既存の資産・実装をそのまま維持 RDS(PostgreSQL / MySQL) Hyperdrive 経由で高速アクセス cloudflared (Tunnel) Zero Trust 移行で構築済みの資産を再利用
図9: 既存 AWS 資産を残したまま Cloudflare を足す構成

機能一覧と判定

R2(オブジェクトストレージ)
◎ 最優先無料枠 10GB · egress 無料
S3互換オブジェクトストレージ。egress(データ転送)完全無料。無料枠は 10GB-月/Class A 100万req/Class B 1,000万req。超過は $0.015/GB-月ほか。
画像・動画・ファイルDLを含む案件でコスト構造が変わります。Super Slurper で S3 からの移行も無料。まず既存案件1件で試算を。
Workers
◎ 導入推奨無料 10万req/日 · Paid $5/月
V8 Isolate のサーバーレス実行環境。300+都市で実行。Paid は1,000万req/月込み(以降 $0.30/100万)、CPU 3,000万ms/月込み。
API・BFF・リダイレクト処理・画像変換などを Lambda より安く・速く。$5/月は投資判断が要らない水準で、R2 / D1 / KV / Hyperdrive の有料枠もこれで開きます。
Pages
◎ 導入推奨静的配信 無制限・帯域無制限
Git連携の静的サイト/フルスタックホスティング。無料でビルド500回/月、1サイト2万ファイル。Pro でビルド5,000回/月。
LP・コーポレートサイト案件の標準ホスティングにできます。Amplify / Netlify / Vercel より無料枠が広く、保守対象のサーバが1つ減ります。
D1(サーバーレス SQL)
◎ 導入推奨無料 読取500万行/日 · 5GB
Workers 統合の SQLite ベース分散DB。Paid で読取250億行/月・書込5,000万行/月込み、ストレージ 5GB込み+$0.75/GB-月。
小〜中規模案件のDBとして RDS を置き換えられます。RDS の「アクセスが少なくても発生する最低月額」が消えるのが大きい。
Workers KV
◎ 導入推奨無料 読取10万/日 · 1GB
結果整合性のグローバルKVストア。読み取りが極めて多いワークロード向け。Paid で1,000万読取/月込み。
設定値・セッション・フィーチャーフラグの保管に。書き込みは無料枠1,000/日と少ないため、書込頻度の高い用途は D1 を選択。
Hyperdrive
◎ 導入推奨Free 10万クエリ/日 · Paid 無制限
既存 PostgreSQL / MySQL への接続プーリングとクエリキャッシュをエッジで提供。Workers Paid ではクエリ数無制限・追加課金なし
既存 RDS を残したまま Workers から高速アクセスできる、段階移行の橋渡し役。「まず一部だけ Workers 化」が現実的に可能になります。
Workers VPC
◎ 導入推奨beta · 全Workersプランで無料
Workers から AWS / Azure / GCP / オンプレのプライベート網へ安全に接続。VPC Services(Tunnel経由)と VPC Networks の2方式。
既存 EC2 構成と Workers を安全につなぐ橋。現在の Tunnel 資産をそのまま活かせます。ベータのため GA 後の料金は要確認。
Secrets Store
◎ 導入推奨標準機能
機微情報を暗号化して保管し、再利用可能なシークレットとして参照。
環境変数のベタ書きやリポジトリへの混入を防げます。設計標準として社内ルール化する価値あり。
Terraform / Pulumi プロバイダ
◎ 導入推奨無料
Cloudflare の構成をコードで定義・管理。
Zero Trust 移行後の設定をコード化しておくと、属人化と設定ドリフトを防げます。移行完了直後がいちばん着手しやすいタイミングです。
Version Management / Notifications
◎ 導入推奨標準機能
設定のバージョニングとロールバック/通知条件の定義。
事故時の切り戻し経路を最初に確保しておくこと。Notifications は障害の一次通報に。
Durable Objects
○ 要検討無料 10万req/日
単一インスタンスで状態と協調を担うステートフルオブジェクト。SQLite バックエンド。SQL行読取250億/月込み(Paid)。
チャット・共同編集・リアルタイム機能を含む案件で。SQLite ストレージ課金は2026年1月発効の体系。
Queues / Workflows
○ 要検討無料 1万オペ/日 · ステップ3,000/日
Queues は非同期メッセージキュー(課金は64KBごとに1オペレーション)。Workflows は耐久実行オーケストレーションで、待機中はCPU課金されない
SQS / Step Functions の代替。バッチ処理・承認フローを含む案件で。
Browser Rendering
○ 要検討無料 10分/日 · 同時3ブラウザ
マネージド Headless Chrome。スクリーンショット、PDF生成、スクレイピング。Paid は10時間/月込み、超過 $0.09/ブラウザ時間。
帳票PDF生成・OGP画像の自動生成で使えます。Puppeteer 実行環境を自前で持たなくてよくなる分、保守が軽くなります。
Vectorize
○ 要検討無料 クエリ次元3,000万/月
ベクトルDB。「クエリされた次元数」と「保存された次元数」のみで課金し、CPU・メモリ・インデックス数では課金されない。
RAG案件で。クエリを発行しなければ課金が発生せず、空インデックスにストレージ課金もないため、検証段階のコストが読みやすい。
Log Explorer / Logs / GraphQL Analytics API
○ 要検討Logpush は上位プラン
ログの保存・検索・外部転送、および HTTPリクエスト等の分析データ取得API。
Zero Trust Free の「ログ保持24時間」問題への回答になり得ます。顧客向けレポートの自動生成にも転用可能。
Containers
△ 将来候補Free 利用不可(Workers Paid 必須)
Workers から起動・制御できるコンテナ実行環境。メモリ 25GiB-時/月込み、CPU 375 vCPU-分/月込みほか。
既存 Docker 資産をそのまま動かしたい場合の選択肢。まず Workers だけで足りないかを先に検討してください。
Pipelines / R2 Data Catalog / R2 SQL / Analytics Engine
△ 将来候補public beta ほか · 料率要確認
リアルタイムデータ取り込み、R2上の Apache Iceberg テーブル管理とクエリ、無制限カーディナリティ分析。
データ基盤・分析基盤の案件が出たときの選択肢として記憶しておく段階。
Workers for Platforms / Sandbox SDK / Dynamic Workers / Artifacts
△ 将来候補Enterprise 想定 · 要確認
顧客が自らコードをデプロイできるマルチテナント基盤、隔離コード実行環境、オンデマンド Worker 起動、成果物のバージョン管理。
受託から自社SaaSへ展開するフェーズになれば有力候補になります。現時点では優先度低。

9F. AI 関連

この領域は「Cloudflare の AI モデルを使う」よりも、「すでに使っている OpenAI / Anthropic API の前段に置く」使い方のほうが、当社にとっての費用対効果が高くなります。

AI Gateway — 既存の LLM 利用に「挟むだけ」で効く 自社・顧客のアプリ 社内ツール 顧客案件のAI機能 コード変更はエンドポイントのみ AI Gateway ◎ コア機能は無料 利用状況の可視化 どの案件が幾ら使ったか キャッシュ 同一プロンプトの再課金を防ぐ レート制限 暴走時の請求事故を防ぐ ログ Free 全体で10万件 LLM プロバイダ OpenAI / Anthropic / Google ほか Workers AI(無料 1万 Neurons/日) プロバイダは自由に選べる 導入コストはエンドポイントの差し替えのみ。「どの案件でいくらLLM費用が発生しているか」が見えるだけでも、受託の見積精度が上がります。
図10: AI Gateway の位置づけ
AI Gateway
◎ 導入推奨コア機能は無料
各種LLMプロバイダへのリクエストを中継し、分析・キャッシュ・レート制限・ログを一元化。Free はログ全ゲートウェイ合計10万件。
すでに OpenAI / Anthropic API を使っているなら、間に挟むだけでコスト可視化とキャッシュが効きます。導入コストほぼゼロで効果が出る、この領域の最有力候補。
AI Crawl Control
◎ 導入推奨標準機能
third-party の AI クローラーの訪問を分析し、制御(許可/ブロック)する。
「顧客サイトのコンテンツをAI学習に使わせない設定」は、制作会社として説明できると価値のある提案材料になります。近年の顧客関心が高い論点。
Workers AI
○ 要検討無料 1万 Neurons/日
Cloudflare GPU 上のサーバーレス推論。課金は「Neurons」という抽象単位に統一され、LLM・埋め込み・画像生成・音声を横断比較できる。超過は $0.011/1,000 Neurons。
小規模な要約・分類・埋め込みなら無料枠で足ります。大規模な文章生成は OpenAI / Anthropic のほうが品質・コストとも優位なケースが多い。
AI Search(旧 AutoRAG)
○ 要検討全プランで利用可 · 課金配分は要確認
検索基盤を自前構築せずに、アプリ/エージェントに検索を追加できるマネージド RAG サービス。
社内ドキュメント検索の PoC に。独自の料金体系が明示されておらず、構成サービス(Workers AI / Vectorize / R2 等)側の課金に依存する点に注意。
Agent Lee
○ 要検討標準機能
Cloudflare ダッシュボードに統合された AI コパイロット。ナビゲーションと設定を支援。
設定作業の効率化。Zero Trust のポリシー設定など、慣れないうちの補助として。
Agents / Agent Memory
△ 将来候補要確認
AIエージェントの構築基盤と、会話から知識を抽出・分類・想起する永続メモリ。
エージェント案件が実際に出てきたら。現時点では技術動向の把握にとどめて問題ありません。

10G. メディア

Cloudflare Images
◎ 導入推奨月5,000ユニーク変換 無料
画像の保存・変換・最適化・配信。超過は 変換 $0.50/1,000、保存 $5/10万枚、配信 $1/10万枚。R2 や S3 上の既存画像を変換配信する形でも使える。
制作案件のレスポンシブ画像対応を自前実装しなくて済みます。課金は「元画像 × 変換パラメータ」の組合せ単位で、同一暦月内の初回リクエストのみ課金。
Stream
○ 要検討保存 $5/1,000分 · 配信 $1/1,000分
動画のアップロード・エンコード・保存・配信・ライブ配信。イングレスとエンコードは常に無料、帯域は配信料金に内包(別途 egress 課金なし)。
動画案件で。「YouTube 埋め込みが使えない」要件(社外秘・広告非表示・独自プレイヤー)のときの選択肢になります。
Realtime / Realtime SFU / RealtimeKit / TURN / MoQ
△ 将来候補要確認
WebRTC のリアルタイム映像・音声基盤、SFU / TURN インフラ、ライブメディア向けプロトコル。
ビデオ通話・オンライン診療・遠隔サポートなどの機能を含む案件が出たら検討対象に。

11H. その他 / 該当なし

ここに挙げた機能は、当社の規模・拠点数・規制要件の前提から検討不要と判断したものです。前提が変われば判定も変わるため、根拠を明記しています。

機能判定理由
Resource Tagging / Account / Billing / Support◎ 導入推奨運用の基礎。顧客ごとにリソースタグを付けておくと原価配賦が楽になります。受託開発では特に効果が大きい
Spectrum○ 要検討任意の TCP / UDP アプリケーションを保護・高速化。SSH・ゲーム・独自プロトコルを扱う案件で選択肢に
Radar○ 要検討無料。インターネット動向の調査に使え、提案資料の裏付けデータとして引用できます
Google tag gateway for advertisers○ 要検討Google Tag Manager 利用時のデータ保護・プライバシー制御。広告計測を扱う案件で
Cloudflare for SaaS / Cloudflare for Platforms / Tenant△ 将来候補自社SaaSを持つフェーズになれば有力。受託から自社プロダクトへ展開する際の基盤
Network Flow / Network Error Logging△ 将来候補大規模ネットワークの可視化向け。現在の単一VPC構成では情報量が過剰
Data Localization Suite× 不要データ所在地に関する規制要件がない想定のため
Geo Key Manager / Keyless SSL× 不要SSL秘密鍵を自社保持しなければならない要件がない
Privacy Gateway / Privacy Pass / Privacy Proxy× 不要大規模プライバシー基盤の提供事業者向け
Key Transparency Auditor× 不要E2EEメッセージング事業者向けの専用機能
Randomness Beacon× 不要分散乱数の研究・検証用途
Cloudflare Network Firewall× 不要Cloudflare WAN / Magic Transit の契約が前提
Multi-Cloud Networking× 不要単一クラウド(AWS)構成のため
Web3× 不要対象となる事業領域がない

12推奨アクションプラン

3フェーズの実行計画 〜2週間 1〜3ヶ月 3ヶ月以降 フェーズ1 今すぐ / 追加費用 ¥0 ① DNS を Cloudflare へ移管 WAF / DDoS / CDN / SSL が同時に有効化 ② DMARC Management を有効化 なりすまし送信の可視化と遮断 ③ Gateway DNS フィルタ設定 全社50台のマルウェア対策 ④ DEX 合成テストを設定 社内システムへの到達性を常時監視 ⑤ Turnstile を社内標準部品に まず自社フォームで適用 ⑥⑦⑧ Web Analytics / Tiered    Cache / Security Center いずれも有効化するだけ フェーズ2 1〜3ヶ月 / 約 $10/月 ⑨ Workers Paid $5/月 を契約 R2 / D1 / KV / Hyperdrive の検証環境 ⑩ R2 と S3 のコスト比較試算 転送量の多い既存案件1件で実測 ⑪ Pages を小規模案件で試用 ホスティング原価の削減効果を確認 ⑫ WordPress 案件1件で APO 検証 TTFB を実測 → 横展開の判断材料に ⑬ AI Gateway を LLM 利用の前段に コスト可視化とキャッシュ ⑭⑮ Registrar 移管の棚卸し /    Terraform で設定をコード化 属人化と設定ドリフトを防ぐ フェーズ3 3ヶ月以降 / 要判断 ⑯ Zero Trust 有料プランへの移行 従業員が50名を超えるタイミング 超えてからでは遅い ⑰ ログの外部退避 or 上位プラン Free の24時間保持で回るか検証 ⑱ Gateway HTTPポリシー 端末50台への証明書配布コストと比較 ⑲ Pro プランの顧客案件適用 Managed Ruleset が要件化したら ⑳ Egress ポリシー(Enterprise) 顧客のIP許可リスト登録が要件化したら ㉑ Email Security Workspace / M365 標準で不足が出たら
図11: 3フェーズの実行計画

フェーズ1 ── 今すぐ(追加費用ゼロ / 2週間以内)

#アクション期待効果費用
1synon.co.jp の DNS を Cloudflare へ移管し、WAF / DDoS / CDN / Universal SSL を有効化自社サイトの防御と高速化。以降の施策の前提条件にもなる¥0
2DMARC Management を有効化し送信元を可視化 → SPF / DKIM / DMARC を整備取引先への「シンオン社を騙るフィッシング」を防止¥0
3Gateway DNSポリシーでマルウェア/フィッシングカテゴリを一括ブロック全社50台のWeb脅威対策。移行済みWARPにポリシーを足すだけ¥0
4DEX の合成テストを設定(社内システムへの到達性を常時監視)「つながらない」の切り分け時間を短縮¥0
5Turnstile を自社サイトの問い合わせフォームに適用し、社内標準部品化スパム防止+reCAPTCHA 依存の解消。顧客提案の実績になる¥0
6Web Analytics を導入Cookie同意バナー不要の解析¥0
7Tiered Cache を有効化オリジン負荷低減(有効化するだけ・設定漏れが多い)¥0
8Security Center で自社ドメインの脅威スキャンを確認タイポスクワッティング等の把握¥0

フェーズ2 ── 1〜3ヶ月(案件への適用・小額投資)

#アクション期待効果費用目安
9Workers Paid($5/月)を契約し、社内で R2 / D1 / KV / Workers の検証環境を用意提案の引き出しを増やす。技術検証の場を常設化$5/月
10R2 と S3 のコスト比較を、転送量の多い既存案件1件で試算egress無料の効果を数値で把握し、提案材料にする¥0
11Pages を次の小規模サイト案件のホスティング先として試用ホスティング原価の削減、保守対象の削減¥0
12WordPress 案件のうち1件で APO を検証TTFB 改善を実測し、他案件へ横展開$5/月
13AI Gateway を既存のLLM利用の前段に挟むAPI利用コストの可視化とキャッシュ¥0
14Registrar への移管対象ドメインを棚卸し自社+顧客代行ドメインの更新費を原価化移管時の1年分のみ
15Cloudflare 設定の Terraform 管理を開始属人化・設定ドリフトの防止。移行直後が着手の好機¥0

フェーズ3 ── 3ヶ月以降(要判断)

#検討事項判断基準
16Zero Trust Pay-as-you-go($7/user/月)への移行従業員が50名を超えるタイミング。超えてからでは遅い
17ログの外部退避 or 上位プランFree の24時間保持で運用が回るか
18Gateway HTTPポリシー(ルート証明書配布)端末50台への証明書展開コストと、得られる可視性を比較
19Pro プラン($25/月/ゾーン)の顧客案件への適用Managed Ruleset / Super Bot Fight Mode が要件になる案件が出たら
20Egressポリシー(Enterprise)顧客システムのIP許可リスト登録が要件化したら
21Email SecurityGoogle Workspace / M365 標準の対策で不足が出たら

13コスト試算

月額コストの3段階 現状維持(フェーズ1のみ) $0 / 月 Zero Trust Free(50ユーザー) DNS / WAF / DDoS / CDN / SSL Turnstile / Web Analytics DMARC / Email Routing フェーズ2 実施時 $10 / 月(約 1,600円) 上記すべて($0) + Workers Paid $5 R2 / D1 / KV / Hyperdrive を含む + APO $5(検証用1ゾーン) 将来リスク(要予算化) $350 / 月(約 55,000円) Zero Trust Pay-as-you-go $7 × 50名 = $350 発生条件: 従業員が51名になった時点 (Free の50シートを超えた瞬間) ⚠ シートは認証イベントで消費され、手動削除まで保持されます。退職者のシート回収を運用に組み込まないと、実人数より早く上限に達します。
図12: 月額コストの3段階

その他の将来コスト

項目月額発生条件
Zero Trust Pay-as-you-go$7 × 人数(50名で $350 ≒ 55,000円)従業員が51名になった時点
Pro プラン$25 / ゾーン顧客案件で Managed Ruleset が必要になったとき
Business プラン$250 / ゾーンWaiting Room / Cookie監視が必要になったとき
Advanced Certificate Manager$10多段サブドメインの証明書が必要になったとき
Argo Smart Routing / Load Balancing$5〜(従量あり)海外配信の高速化、またはオリジン冗長化を行うとき
R2 / Workers の従量課金使用量に応じて無料枠を超えたとき。egress は超えても $0
⚠ 最大の注意点は Zero Trust のユーザー上限です Free の50シートは「一度認証したユーザーが占有し、手動削除またはシート有効期限まで保持される」仕様です。つまり退職者のシートを回収しないと、実人数より早く上限に達します。採用計画がある場合は、51人目が発生する前に Pay-as-you-go への切替を予算化してください。上限に達すると追加ユーザーのログインがブロックされ、業務が止まります。

14要確認項目・名称変更・出典

「要確認」項目(公式に価格・仕様が明示されていないもの)

提案書や稟議で数値を使う際は、Cloudflare 営業またはダッシュボードでの確認が必要です。本書では推測値を記載していません。

項目状況
Browser Isolation のアドオン単価・同時セッション上限非公開。公式ドキュメント3ページを確認したが記載なし
CASB / DLP(Enterprise版)のアドオン単価非公開
専用 Egress IP の価格「アカウントチームに問い合わせ」とのみ記載
Email Security の受信箱あたり単価年間契約・非公開。公開パッケージ資料は Q3 2025 版が最新
Argo Smart Routing の GB 単価「$5/月〜、月1GB込み」のみ公開。超過単価はダッシュボード提示
Load Balancing のオリジン追加単価「$5/月〜、DNSクエリ50万件込み」のみ公開
Rate Limiting の従量単価「総HTTPトラフィックに基づく」とのみ記載
Bot Management(Enterprise)の価格個別見積
DNS Firewall の単価Enterprise アドオンとのみ記載
AI Search の課金体系「全プランで利用可」のみ。構成サービス側課金の配分は未明記
Workers VPC の GA 後料金ベータ中は無料
R2 Data Catalog の料率public beta
Registrar の TLD 別価格「$7.85〜、390+ TLD」のみ。実価格は TLD ごとに要確認
Waiting Room のプラン別 active users 上限「200超」の下限のみ確認
Client-side security の $0.099 / 1,000リクエストプラン表の記載。どのティア(Advanced 相当と推測)に対応するか未確認
Email Service の初期日次送信上限非公開(送信実績に応じて自動で段階的に引き上げ)
DEX リモートキャプチャの Standard プラン値Free 100件/日・Enterprise 800件/日 は確認済み。中間値は未取得

2026年時点の主な名称変更(旧資料との読み替え)

ドキュメント体系が大きく再編されています。過去の技術記事や社内資料を参照する際は、以下の対応にご注意ください。

旧名称(〜2025) 現名称(2026) Cloudflare Zero Trust(ドキュメント体系) Cloudflare One Magic WAN Cloudflare WAN WARP Client Cloudflare One Client Page Shield Client-side security Area 1 Email Security AutoRAG AI Search
図13: 主な名称変更の対応表
調査時点について 本書の内容は 2026年8月14日時点の Cloudflare 公式ドキュメントおよびプランページに基づいています。Cloudflare は製品の追加・改称・料金改定の頻度が高いため、実際の契約・稟議の直前には必ず公式ページで最新の数値をご確認ください。

出典

製品一覧・料金: Cloudflare Products 一覧Cloudflare PlansFree Plan

Cloudflare One / Zero Trust: Cloudflare Oneアカウント上限シート管理トラフィックポリシーEgressポリシーBrowser IsolationDLPDEXCloudflare TunnelプライベートネットワークルーティングCloudflare One ClientEmail SecurityCloudflare WANMagic TransitInternal DNS

セキュリティ: WAFManaged RulesRate LimitingLeaked credentials detectionDDoS ProtectionBot ManagementSuper Bot Fight ModeTurnstile プランClient-side securityAPI ShieldSecurity CenterWaiting RoomUniversal SSLACM

パフォーマンス: Tiered CacheCache ReserveArgo Smart RoutingLoad BalancingAPOZarazWeb Analytics

DNS・ドメイン・メール: DNSDNS FirewallRegistrarEmail RoutingEmail Service 料金DMARC Management

開発者プラットフォーム・AI・メディア: Workers 料金R2 料金D1 料金Pages 制限Pages Functions 料金Hyperdrive 料金Workers VPCContainers 料金Browser Rendering 料金Workflows 料金Queues 料金Vectorize 料金Workers AI 料金AI Gateway 料金AI SearchImages 料金Stream 料金