Cloudflare が提供する100種類以上の製品を全件洗い出し、当社の規模・事業内容・既存インフラに照らして「導入済 / 導入推奨 / 要検討 / 将来候補 / 不要」の5段階で評価した技術選定資料です。
Cloudflare の製品は 2026年8月時点で 100種類以上。本書では全108項目を洗い出し、5段階で判定しました。
Cloudflare の製品群は、大きく「社内を守る(Cloudflare One)」「公開サービスを守る・速くする(Application Services)」「作る(Developer Platform)」の3つの層に整理できます。当社に関係するのは主にこの3層で、その外側にある大企業向けネットワーク製品群は対象外です。
| 条件 | 内容 | 評価への影響 |
|---|---|---|
| 従業員規模 | 約50名 | Zero Trust Free の上限ちょうど。1名増えると $7/user/月 の Pay-as-you-go へ移行が必要 |
| 事業内容 | 受託のWeb制作・システム開発・アプリ開発 | 開発者プラットフォーム(Workers / R2 / Pages)の価値が高い。顧客案件への転用可否が主要な判定軸になる |
| インフラ | AWS EC2(自社システムと顧客向けサービスが同居) | R2・Workers VPC・Hyperdrive が AWS コスト削減の候補 |
| 拠点 | 単一拠点(大阪) | Magic WAN / Magic Transit / One Appliance など拠点間WAN製品は不要 |
| 規制要件 | 特段の金融・医療規制なし(想定) | Data Localization Suite / Geo Key Manager / Keyless SSL は不要 |
| 現行の課題 | VPN運用負荷、証明書配布、ライセンス費 | Zero Trust 移行で解消済み/解消予定 |
現在の移行プロジェクトの中心領域です。Free プラン(50ユーザー)でほぼ完結しますが、有料プラン以上でしか使えない機能を正しく把握しておくことが重要です。
cloudflared がサーバ側からアウトバウンドのみで接続を確立。パブリックIP・インバウンド開放が不要。@synon.co.jp ドメイン制限で登録者を限定中。将来的に Google Workspace / Entra ID へ切替可能。/etc/hosts や既存の内部DNSで十分。自社サイト(synon.co.jp)と、顧客に納品するサイトの両方に効く領域です。Free プランでも防御の土台が一通り揃うため、まず自社で実践し、そのまま顧客提案の実績にできます。
api.staging.example.com のような多段サブドメインは対象外で、その場合は ACM($10/月)が必要。制作会社にとって最も直接的に効く領域です。とくに CDN の帯域無課金 と WordPress 向け APO は、既存案件の原価と品質の両方を動かします。
「今すぐ・無料でできて効果が明確」な施策が集中している領域です。とくに DMARC Management は、取引先を守る意味でも優先度が高い施策です。
synon.co.jp のなりすまし対策を無料で始められます。今すぐやるべき筆頭。取引先へのフィッシング被害を未然に防ぎます。info@ support@ の転送用に。顧客の小規模サイトで「メールサーバを立てずに問い合わせ受信」が実現でき、保守対象を1つ減らせます。受託開発会社であるシンオン社にとって、最も事業インパクトが大きい領域です。自社利用にとどまらず「顧客案件の構成部品」として提案原価を下げられます。
この領域は「Cloudflare の AI モデルを使う」よりも、「すでに使っている OpenAI / Anthropic API の前段に置く」使い方のほうが、当社にとっての費用対効果が高くなります。
ここに挙げた機能は、当社の規模・拠点数・規制要件の前提から検討不要と判断したものです。前提が変われば判定も変わるため、根拠を明記しています。
| 機能 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Resource Tagging / Account / Billing / Support | ◎ 導入推奨 | 運用の基礎。顧客ごとにリソースタグを付けておくと原価配賦が楽になります。受託開発では特に効果が大きい |
| Spectrum | ○ 要検討 | 任意の TCP / UDP アプリケーションを保護・高速化。SSH・ゲーム・独自プロトコルを扱う案件で選択肢に |
| Radar | ○ 要検討 | 無料。インターネット動向の調査に使え、提案資料の裏付けデータとして引用できます |
| Google tag gateway for advertisers | ○ 要検討 | Google Tag Manager 利用時のデータ保護・プライバシー制御。広告計測を扱う案件で |
| Cloudflare for SaaS / Cloudflare for Platforms / Tenant | △ 将来候補 | 自社SaaSを持つフェーズになれば有力。受託から自社プロダクトへ展開する際の基盤 |
| Network Flow / Network Error Logging | △ 将来候補 | 大規模ネットワークの可視化向け。現在の単一VPC構成では情報量が過剰 |
| Data Localization Suite | × 不要 | データ所在地に関する規制要件がない想定のため |
| Geo Key Manager / Keyless SSL | × 不要 | SSL秘密鍵を自社保持しなければならない要件がない |
| Privacy Gateway / Privacy Pass / Privacy Proxy | × 不要 | 大規模プライバシー基盤の提供事業者向け |
| Key Transparency Auditor | × 不要 | E2EEメッセージング事業者向けの専用機能 |
| Randomness Beacon | × 不要 | 分散乱数の研究・検証用途 |
| Cloudflare Network Firewall | × 不要 | Cloudflare WAN / Magic Transit の契約が前提 |
| Multi-Cloud Networking | × 不要 | 単一クラウド(AWS)構成のため |
| Web3 | × 不要 | 対象となる事業領域がない |
| # | アクション | 期待効果 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 1 | synon.co.jp の DNS を Cloudflare へ移管し、WAF / DDoS / CDN / Universal SSL を有効化 | 自社サイトの防御と高速化。以降の施策の前提条件にもなる | ¥0 |
| 2 | DMARC Management を有効化し送信元を可視化 → SPF / DKIM / DMARC を整備 | 取引先への「シンオン社を騙るフィッシング」を防止 | ¥0 |
| 3 | Gateway DNSポリシーでマルウェア/フィッシングカテゴリを一括ブロック | 全社50台のWeb脅威対策。移行済みWARPにポリシーを足すだけ | ¥0 |
| 4 | DEX の合成テストを設定(社内システムへの到達性を常時監視) | 「つながらない」の切り分け時間を短縮 | ¥0 |
| 5 | Turnstile を自社サイトの問い合わせフォームに適用し、社内標準部品化 | スパム防止+reCAPTCHA 依存の解消。顧客提案の実績になる | ¥0 |
| 6 | Web Analytics を導入 | Cookie同意バナー不要の解析 | ¥0 |
| 7 | Tiered Cache を有効化 | オリジン負荷低減(有効化するだけ・設定漏れが多い) | ¥0 |
| 8 | Security Center で自社ドメインの脅威スキャンを確認 | タイポスクワッティング等の把握 | ¥0 |
| # | アクション | 期待効果 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 9 | Workers Paid($5/月)を契約し、社内で R2 / D1 / KV / Workers の検証環境を用意 | 提案の引き出しを増やす。技術検証の場を常設化 | $5/月 |
| 10 | R2 と S3 のコスト比較を、転送量の多い既存案件1件で試算 | egress無料の効果を数値で把握し、提案材料にする | ¥0 |
| 11 | Pages を次の小規模サイト案件のホスティング先として試用 | ホスティング原価の削減、保守対象の削減 | ¥0 |
| 12 | WordPress 案件のうち1件で APO を検証 | TTFB 改善を実測し、他案件へ横展開 | $5/月 |
| 13 | AI Gateway を既存のLLM利用の前段に挟む | API利用コストの可視化とキャッシュ | ¥0 |
| 14 | Registrar への移管対象ドメインを棚卸し | 自社+顧客代行ドメインの更新費を原価化 | 移管時の1年分のみ |
| 15 | Cloudflare 設定の Terraform 管理を開始 | 属人化・設定ドリフトの防止。移行直後が着手の好機 | ¥0 |
| # | 検討事項 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 16 | Zero Trust Pay-as-you-go($7/user/月)への移行 | 従業員が50名を超えるタイミング。超えてからでは遅い |
| 17 | ログの外部退避 or 上位プラン | Free の24時間保持で運用が回るか |
| 18 | Gateway HTTPポリシー(ルート証明書配布) | 端末50台への証明書展開コストと、得られる可視性を比較 |
| 19 | Pro プラン($25/月/ゾーン)の顧客案件への適用 | Managed Ruleset / Super Bot Fight Mode が要件になる案件が出たら |
| 20 | Egressポリシー(Enterprise) | 顧客システムのIP許可リスト登録が要件化したら |
| 21 | Email Security | Google Workspace / M365 標準の対策で不足が出たら |
| 項目 | 月額 | 発生条件 |
|---|---|---|
| Zero Trust Pay-as-you-go | $7 × 人数(50名で $350 ≒ 55,000円) | 従業員が51名になった時点 |
| Pro プラン | $25 / ゾーン | 顧客案件で Managed Ruleset が必要になったとき |
| Business プラン | $250 / ゾーン | Waiting Room / Cookie監視が必要になったとき |
| Advanced Certificate Manager | $10 | 多段サブドメインの証明書が必要になったとき |
| Argo Smart Routing / Load Balancing | $5〜(従量あり) | 海外配信の高速化、またはオリジン冗長化を行うとき |
| R2 / Workers の従量課金 | 使用量に応じて | 無料枠を超えたとき。egress は超えても $0 |
提案書や稟議で数値を使う際は、Cloudflare 営業またはダッシュボードでの確認が必要です。本書では推測値を記載していません。
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| Browser Isolation のアドオン単価・同時セッション上限 | 非公開。公式ドキュメント3ページを確認したが記載なし |
| CASB / DLP(Enterprise版)のアドオン単価 | 非公開 |
| 専用 Egress IP の価格 | 「アカウントチームに問い合わせ」とのみ記載 |
| Email Security の受信箱あたり単価 | 年間契約・非公開。公開パッケージ資料は Q3 2025 版が最新 |
| Argo Smart Routing の GB 単価 | 「$5/月〜、月1GB込み」のみ公開。超過単価はダッシュボード提示 |
| Load Balancing のオリジン追加単価 | 「$5/月〜、DNSクエリ50万件込み」のみ公開 |
| Rate Limiting の従量単価 | 「総HTTPトラフィックに基づく」とのみ記載 |
| Bot Management(Enterprise)の価格 | 個別見積 |
| DNS Firewall の単価 | Enterprise アドオンとのみ記載 |
| AI Search の課金体系 | 「全プランで利用可」のみ。構成サービス側課金の配分は未明記 |
| Workers VPC の GA 後料金 | ベータ中は無料 |
| R2 Data Catalog の料率 | public beta |
| Registrar の TLD 別価格 | 「$7.85〜、390+ TLD」のみ。実価格は TLD ごとに要確認 |
| Waiting Room のプラン別 active users 上限 | 「200超」の下限のみ確認 |
| Client-side security の $0.099 / 1,000リクエスト | プラン表の記載。どのティア(Advanced 相当と推測)に対応するか未確認 |
| Email Service の初期日次送信上限 | 非公開(送信実績に応じて自動で段階的に引き上げ) |
| DEX リモートキャプチャの Standard プラン値 | Free 100件/日・Enterprise 800件/日 は確認済み。中間値は未取得 |
ドキュメント体系が大きく再編されています。過去の技術記事や社内資料を参照する際は、以下の対応にご注意ください。
製品一覧・料金: Cloudflare Products 一覧 / Cloudflare Plans / Free Plan
Cloudflare One / Zero Trust: Cloudflare One / アカウント上限 / シート管理 / トラフィックポリシー / Egressポリシー / Browser Isolation / DLP / DEX / Cloudflare Tunnel / プライベートネットワークルーティング / Cloudflare One Client / Email Security / Cloudflare WAN / Magic Transit / Internal DNS
セキュリティ: WAF / Managed Rules / Rate Limiting / Leaked credentials detection / DDoS Protection / Bot Management / Super Bot Fight Mode / Turnstile プラン / Client-side security / API Shield / Security Center / Waiting Room / Universal SSL / ACM
パフォーマンス: Tiered Cache / Cache Reserve / Argo Smart Routing / Load Balancing / APO / Zaraz / Web Analytics
DNS・ドメイン・メール: DNS / DNS Firewall / Registrar / Email Routing / Email Service 料金 / DMARC Management
開発者プラットフォーム・AI・メディア: Workers 料金 / R2 料金 / D1 料金 / Pages 制限 / Pages Functions 料金 / Hyperdrive 料金 / Workers VPC / Containers 料金 / Browser Rendering 料金 / Workflows 料金 / Queues 料金 / Vectorize 料金 / Workers AI 料金 / AI Gateway 料金 / AI Search / Images 料金 / Stream 料金